最新のSteamハードウェア調査が示す、ゲーミングに32GBメモリが必須になりつつある理由
ゲーミングPCのメモリを32GBにアップグレードするのは思ったより簡単

毎年新作のPCゲームが発売されていますが、その多くは最適化が不十分なままリリースされることも多く、最新のゲーミングPCでさえ苦戦することがあります。特にエントリークラスやミドルレンジのパソコンでは顕著です。そのため、より快適なゲーム環境を求めて、メモリ(RAM)を増設・アップグレードするゲーマーが増えています。
Valveが実施しているSteamハードウェア&ソフトウェア調査の最新データによると、PCゲーマーの間でメモリ容量のトレンドに明確な変化が見られます。2025年3月から2025年8月にかけて、16GBのRAMを搭載するユーザーの割合は43.12%から41.67%へと減少。一方、32GBのRAMを搭載するユーザーは32.85%から35.42%へと増加しています。
16GBメモリの減少幅は小さいものの、32GBの増加(+2.57%)は注目に値します。最近の大作(トリプルA)タイトルでは、快適なプレイのために32GBのRAMが推奨されるケースが増えています。16GBでもゲームは可能ですが、メモリ消費の激しいタイトルではカクつきやパフォーマンス低下を感じることもあります。
この傾向は、Star Wars ジェダイ:サバイバーやモンスターハンター ワイルズ、ドラゴンズドグマ2など、要求スペックの高いタイトルで顕著です。これらのゲームは現時点で大きなパフォーマンス改善アップデートがなく、32GBのRAMにアップグレードすることでフレームタイムの安定やラグの軽減が期待できます。
また、ポータブルゲーミングPC(携帯型ゲーミングPC)でも32GBメモリ搭載モデルが登場し、持ち運びできるゲーム体験の人気も高まっています。携帯型のユーザーはまだPCゲーマー全体では少数派ですが、市場は急速に拡大しています。
さらに、Windows 11のような最新OSでは、ゲームに不要なバックグラウンドプロセスが多く動作しているため、十分なメモリがあると全体のパフォーマンス低下を防ぐことができます。なお、メモリの増設はCPUやグラフィックボード(GPU)など主要パーツのアップグレードに比べて比較的コストが抑えられるため、手軽にゲーミングPCの性能を向上させる方法としておすすめです。

分析:現時点では16GBのRAMで十分ですが、将来を見据えるなら32GBへのアップグレードがおすすめ
メインのゲーミングPCと携帯型デバイスの両方でRAMを16GBから32GBに増設したところ、全体的なパフォーマンスの違いがはっきりと感じられました。最適化されたゲームでは変化が小さい場合もありますが、要求が高いゲームや最適化が不十分なタイトルでは、追加メモリの恩恵がより顕著に現れます。
最近の最新ゲームの多くは、強力なグラフィックカードと組み合わせ、高解像度(例えば3440×1440)・最高設定でプレイすると、16GB以上のRAMを使用することが珍しくありません。特に、ゲーム中にウェブブラウザや他のアプリを同時に開いてマルチタスクする場合は、メモリの消費がさらに増えます。
すでにハイエンドのGPUやCPUを使用している、または今後アップグレードを検討している場合は、高いグラフィック設定や解像度でプレイしたくなるでしょう。配信やバックグラウンドアプリの実行などのマルチタスクも、追加メモリの恩恵を受けられます。こうした環境では、32GBのRAMによってより滑らかで快適な操作感が得られます。
今後もゲーム開発者はハードウェア要件を高めていくと予想されており、32GBのRAMが主要タイトルの推奨スペックになる日も近いでしょう。今のうちにアップグレードしておけば、将来への備えになるだけでなく、メモリ価格の高騰も回避できます。
